「実はカナね、元々ヤンキーグループに入っていたんだよ」
「知らない?キャットっていうヤンキーグループ」
キャット!?
遥華市内で有名な、人のためになるヤンキーグループじゃん!
まあ時には喧嘩もするけど。
「チサはキャットの姉妹グループみたいなのに入っていたんだ」
「確か知紗は、マウスだよね?」
マウスも、キャットと同じ、喧嘩もするけど、人のためになるヤンキーグループだ。
キャット(猫)でマウス(ネズミ)だから、結構面白い名前なんだよね。
あれ?
「でも今、キャットもマウスもいないんじゃ・・・」
「「その通り!」」
明るく言った2人だけど、すぐに目を伏せた。
口を開いたのは花菜だ。
「隣の市のヤンキーグループに襲われて、キャットは消滅したんだ。
カナ・・・1人になったんだ。
その時、同じく襲われて消滅したマウスのリーダーであったチサに会って、仲良くなったんだ」
花菜が口を閉じたら、知紗が開いた。
「お互いチサたちは1人を経験している。
だから、1人の寂しさって言うのがわかるんだ。
紅羽、クラスでは浮いているから、チサたちに嫌われたら、紅羽は1人になっちゃうでしょ?」
2人とも・・・私が1人になるって思って?


