ある時。
俺らは万美のことを忘れるため、遊園地へ出掛けた。
沢山遊び、夜遅く家への道を歩いていた。
そこは人通りが少なかった。
ヒタ、ヒタ、ヒタ・・・
後ろから聞こえる、足音。
誰かが俺らを追ってきている。
街灯など一切ない道なので、後ろを振り返って足音の主を確認するにも出来ない。
俺は楽しそうに話すレンナの手を思い切り引き、走り出した。
レンナは驚いていたが、そこでようやく響きだした足音に気が付き、急いで俺に置いてかれないよう足を動かす。
しかし、レンナは俺より体力がない。
そのため、風邪もよく引く。
俺は途中で、レンナを抱き上げた。
「お兄ちゃん!?」
「良いから、大人しくしてて!」
がむしゃらに、走る。
足音も、めげずに追いかけてくる。


