元殺し屋と、殺し屋










「レンナ、万美死んだって」

「・・・そうなんだ」

「まぁ俺らには関係ないよな」

「・・・ねえお兄ちゃん」

「何だ?」

「何でこの間、万美と話していたの?」

「・・・レンナ、見ていたのか」

「・・・お兄ちゃん、万美のこと好きになったの?」

「なるわけないだろ。
俺が好きなのは、レンナだけだよ」

「・・・殺したの、あたし」

「え?」

「あたしが・・・マミを、殺した」




俺は驚いた。

驚かない方が無理だ。



「レンナ、また手を染めたのか?」

「・・・お兄ちゃん嬉しそうだった。
万美のこと・・・好きになったのかと思った」

「好きになるわけないだろ!
レンナは俺を信じられないのか?
俺はレンナを信じたと言うのに」

「あたしだってお兄ちゃんのこと信じているよ!
だからこそ不安なの!
お兄ちゃんが・・・万美の所行くのかって!!」

「レンナ・・・」



人一倍愛情をもらっていないレンナは、人一倍愛情を欲しがる。

愛情を欲しがれば、今度は不安がる。

レンナの不安は、常に大きかった。