元殺し屋と、殺し屋










後日。

マミは逮捕された。

マミが総長を務めた族も消えた。



レンナは親衛隊に見せた写真を、マスコミや警察に送ったんだ。

【笑顔の仮面をかぶった悪魔】として、マミは有名になった。



で、俺は。

教師やクラスメイトに怪我を負わしたので、学校を無断で転校した。

再びお金を盗み、住んでいた家を離れた。

転校先の学校には、全く通わなかった。

俺らは家でずっと一緒にいた。

食料がなくなれば、スーパーへ出掛け、バレないよう万引きした。

まだ小学生の子どもが万引きするとは思わない。

俺らが疑われる心配はなかった。



俺らの幸せを壊されるのは、突然のこと。

誰も知らない俺らの城に、人が来たのだ。



「何をしている。学校はどうした」



やってきたのは、行方を知らないはずの親戚。

そう、俺らを育児放棄した、我が儘で自分勝手な親戚。



「勝手に転校しやがって。
探偵事務所に調べてもらって、ようやく突き止めたら、この有様か。
ワタシたちの顔に泥でも塗るつもりかい?

明日からはキチンと学校へ行ってもらう。
引きずってでも連れて行くからな」



・・・ふざけるな、と思った。