「・・・お、兄ちゃん?」

「レンナっ・・・!」



今にも死にそうな青白い顔をしながら、レンナは笑う。

ここは病院。

俺は「帰りなさい」と言っていた看護師を無視し、病室にいた。



「レンナ・・・良かった」

「マミちゃんは・・・?」

「帰らした」

「お兄ちゃん、マミちゃんだけは・・・駄目。
マミちゃんは・・・総長の名に相応しい男を・・・探しているだけ。
イケメンで・・・かっこいい、お兄ちゃんだから・・・。
決して・・・・中身は、見て・・・いない・・・・!」

「レンナ・・・」

「あたし、お兄ちゃん、ダイスキダカラ・・・。
幸せに・・・なってほしいから・・・」

「レンナ・・・ッ!」



俺はレンナを抱きしめた。







「別れてほしい」

「え?」

「俺はレンナの双子の兄だから。
レンナの言うことを信じることにしたよ」

「な・・・何よそれぇ!」




マミは泣きながら行ってしまった。