「ただいま、レンナ」
「あれ?マミちゃん?どうしたの?」
「レンナちゃん、あたしね、澪鵺くんと付き合うことになったの」
「・・・え?」
「レンナちゃんにも、認めてほしいな。
レンナちゃんは、澪鵺くんの妹さんだからね」
レンナは知っていた。
マミの正体に。
マミは、可愛い容姿に合わず、地元で悪名を轟かす暴走族の若き総長だったことを。
両親から受け継いだ族を、小学4年生で全国ナンバーワンにしたことを。
喫煙や飲酒は、日常茶飯事だということも。
「駄目・・・お兄ちゃん。
マミちゃんだけは・・・駄目」
「レンナ・・・?」
「レンナちゃん?何を言うの?」
「あたし知っているよ?
マミちゃんが暴走族の総長ってことも。
喫煙飲酒が日常茶飯事ってことも。
・・・総長に相応しい男を探しているってことも」
「!?」
「レンナ!?」
「マミちゃんなんか・・・マミちゃんなんかに、お兄ちゃんは、渡さないんだからァ!!」
レンナはそのまま倒れた。
俺は急いで救急車を呼んだ。
マミは帰らした。