「・・・心配しないで良いよ。
少し腕切っただけだから」




氷さんは完全に起きたのか、口調が優しくなる。

この変わりっぷりには、驚くわな。



「ところで紅羽。
どうして眼鏡にゴムなんて・・・」

「私の花の高校生活のためですよっ」

「・・・?」



氷さんが首を傾げる中、私は長い黒髪を三つ編みにしていく。

なるべく太めに。

両方結び終わり、眼鏡をかける。

そして、折っていたスカートを直し、出来る限りのばす。



「く、紅羽・・・?」

「出来ました!
これで高校生活はハッピーです!」

「待ってよ紅羽。
それはいくらなんでも地味すぎない?」

「これで友達100人です!」

「紅羽、それどこ情報?」

「あ、もう時間だ。
私、行ってきますね!!」

「あっ!
待ってよ紅羽っ!
それじゃあ地味すぎるって!紅羽っ!!」




氷さんが叫んでいたけど。

私は無視し、学校への道のりを急いだ。