「先生とか見回り来ないの?」

「大丈夫ですよ紅羽。
この部屋には予備の布団があるんです。
その布団を掛け布団の下に埋めておけば、先生たちは疑いません」

「じゃあ、ホテルから出るときにバッタリとかいうオチはないの?」

「先生たちが見回りをしない時間を選んで出れば良いのですよ」

「・・・どうやってわかるのよ」

「予め先生たちの見回り時間は把握しておきましたから」

「・・・え?」



見回りの時間を把握しておいた?

・・・はあ!?



「ちょっ、澪鵺、あんた何しているの?」

「仕事のためですから。見逃してください」

「どうやって調べたのよ」



予めって言うのなら、旅行の前からだわ。

・・・そんな前から今日仕事って知らされていたの?

もっと早めに言えよ!

氷さん!澪鵺!



「夜中警備員さんたちしかいない時間に、学校へ忍び込んだんです。
見回り時間が決められているかまでは分からなかったので、イチかバチかでしたけどね」

「学校へ忍び込んだ!?」



あんたは忍者か!

怪盗か!泥棒か!