大切なひとだもん。
沙月ちゃんを傷つけたくないよ。
それなのに、好きだって気づいちゃったなん。
私は……バカだ。
***
「なんか元気ないねぇ?大丈夫?」
「えっ?だ、大丈夫だよっ?」
「そう……?」
授業と授業の間の休み時間。
私の顔を覗き込むのは沙月ちゃんのクリクリとした大きな目。
やっぱり、沙月ちゃんは可愛いなぁ。
私も、沙月ちゃんみたいに可愛くなれたら、いいんだけど。
「この前は私ばかりが話しちゃってたけどさ」
「うん」
「優梨ちゃんは好きな人いないの?」
「え!?」
沙月ちゃんの質問に驚いて大きな声を出してしまった。
えええ、どうしよう!?
なんて返せばいいの!?
「い、いないよ!」
「ウソだぁ〜。その反応はいるでしょ?」
「いないって……」
「隠さないでよ、友だちでしょ?」
焦って頭が混乱する。
ただ、ひとつ。
心にあったことといえば、沙月ちゃんに高橋くんへの恋心を知られたくない。
それだけだった。
「っ、いないって言ってるじゃん!」



