「ふたりは幼なじみなんだよ」


「……!?」



近くで言われた結城くんの言葉に、一瞬心を読まれたかと思った。


そんなわけないんだけど、結城くんの悪戯っ子のような顔を見ると、そうなのかもしれないと錯覚しそうになる。


そう、なんだ……。


ふたりは幼なじみなんだ……。


ウチは転勤族で転校ばかりして来たから私にはわからない、幼なじみというもの。


小さい頃から今までずっと一緒って、どんな感じなんだろう。


やっぱり、家族みたいな感覚なのかな。


それよりも、特別な感覚なのだろうか……?



「じゃあなぁ、また明日!」


「バイバーイ」



日が沈み、薄暗くなって来た頃。
みんなに別れを告げて家路につく。


今日とても楽しかったから、とても別れがたい。

あまりに楽しすぎて、ずっとこの時が続けばいいのにって、叶うはずもないことまで願ってしまった。


こんな感情、初めてだよ。


ありがとう……。

そう、思いながらみんなに背を向けて歩き出した時。



「日高!」


「……!?」


「また明日な!」