好きなのに、好きだから、すごくすごく考え込んでたんだよ。
どうして私の告白スルーされたんだろうって、もしかして届いてないのかなって。
「ごめんごめん、泣かないで?」
「うううっ、高橋くんのばかぁ……っ」
嬉しさと悔しさとすこしの憤り。
いろんな感情が入り乱れて、コントロールができない。
すると高橋くんが困ったように両方の眉尻を下げて「ほら」と私の前髪を手のひらであげる。
そこに自分の額をくっつけて「仲直りしよ」と微笑んだ。
ボッと顔から火が吹くかと思うほど、熱くなる。
そしてそのままあろうことか、高橋くんが私のおデコにキスを落とした。
とても甘い高橋くんに、私はもうたじたじ。
「泣きやんだね」
「……高橋くんが意地悪だ」
「そんなことないよ」
ニコニコ笑いながらそう言った彼に私はなんとも言えない悶々とした気持ちを抱きながら地団駄を踏んだ。
そんなことありすぎるんですが。
でもこれからもきっとこうやって高橋くんの新しい一面を知っていく。
まだまだお互いに知らないこともあると思う。だけど飽きるほどそばにいて、お互いを知っていきたいとそう思うんだ。
そして大人になったときにこう言いたい。
"いつだってそこには君がいた"と。