いつだってそこには君がいた。



終わらせたくない。終わらせたくないよ。



「そりゃ俺だって友だちでいたいさ」



か細い声。俯けていた顔を上げる。



「でも、俺、みんなの関係を壊した犯人だぞ」


「壊れてないよ。沙月ちゃんとも今日話した。そしたら泣きながら結城くんのことを言われた」


「……っ……」


「高橋くんからも"あいつのことよろしく"って言われたよ。みんな、結城くんが大切なんだよ」



膝の上に置いていた手に力を込める。



「明日、学校に来て……?」



私の言葉に、結城くんは反応しなかった。
終始口を噤んで、なにかについて必死に考え込んでいるように見えた。


私は「じゃあ帰るね。明日駅で待ってるからね」と言い残して結城くんの家を後にした。


もう伝えた。ちゃんと伝えた。
そして彼の考えもちゃんと伝わって来た。


私たちならまたやり直せる。そう信じている。
……信じ、たい。



***



次の日の朝、私はいつもより早めに駅に向かった。
私を避けて早めの電車に乗られたら困るし。
その逆も然りで、結城くんのことを待つために遅刻をも覚悟している。


来るまで待つつもり。来なかったら、迎えに行ってやる。怒られるかもしれないけど、それぐらいする。



「あ」


改札を抜けて、目に入ったふたりに思わず声が漏れた。



「おはよう!」

「はよー」



高橋くんと、沙月ちゃんだった。
瞬間的に口角が上がり、笑みがこぼれて、急いで駆け寄った。


ふたりがいる安心感に涙が溢れそうになる。



「昨日はどうだった?」



沙月ちゃんが開口一番にそう尋ねてきた。
私は昨日の会話をこと細かくふたりに説明した。