いつだってそこには君がいた。




雪菜ちゃんたちが、いる。
こちらを一瞬だけ見ると、また会話に戻っていった。


溜まった唾を飲み込んでから席に向かう。
無言のまま席に着くと「私、悪いと思ってないから」と冷ややかな声が届いて隣を見た。



「だってどう考えても私たちタイプが違うでしょ?」


「…………」


「派手な私と地味な優梨ちゃんが釣り合うと思ってる?」



頬杖をついて、なんの変哲もないことを当然のごとく言うかのような声のトーン。


私もそう思っていた。

どうして地味な私に話しかけてくれたのか、不思議に思っていたんだよ。



「雪菜ちゃん、でも私……」


「なに?」


「話しかけてもらって嬉しかったし、楽しかったよ」



たとえ雪菜ちゃんが高橋くんや結城くんに近づこうとして私に接近していたとしても、その事実は変わらない。


友達ができるか不安でたまらなくて、この教室に足を踏み入れた時のことは忘れられない。


私は友達をつくるのが、とっても苦手。


手をあげて発表なんてしないし、日付けと出席番号の感覚で当てられた日なんて最低最悪とさえ思っていたほどの引っ込み思案。


そんな私に声をかけてくれた雪菜ちゃんは私にとっては救世主だった。



「もう友達じゃないし、これからも友達になれないかもしれないけど、これだけは言わせて」


「…………」


「ありがとう」



大きな心でいられるのは、笑ってそう言えたのは、心に大好きな人がいてくれるから。


昨日偶然にも本当のことを聞いてとても悲しくなった。辛かった。だけどやっぱり友達として過ごした時間が私の中からなくなるわけじゃなかった。


偽善的な考えかもしれない。
本当は怒って責めてもいいぐらいの出来事なのかもしれない。


だけど私はそれでもひとりじゃないから。