いつだってそこには君がいた。




ーーガタタッ。


自分の席に座る。教室の端と端。
私と彼の席はちょうど対角線になっている。


みんなの間から見える彼の斜め後ろからの姿。
色素の薄い髪の毛はくせっ毛で、ゆるいパーマをかけているようにも見える。


猫の毛のようにフワフワしている。


……だけど、フレンドリーな高橋くんはどっちかと言うと猫よりも犬のほうがしっくり来るような、そんな感じがする。



「ねぇねぇ優梨ちゃんっ」

「………!?」



彼のことを真っ直ぐ見ていた私の視界にひょっこり顔を覗かせたのは、私の前の席に座る女の子。

肩につくかつかないかぐらいの髪の毛は前下がりのボブ。
パッツンの前髪は、まんまるな目よりも上で切りそろえられている。



「……ぁっ……ぇ」



目の前で明るい笑顔で私のことを見ている彼女に驚きすぎて、まともな声が出ない。


ゆ、優梨ちゃん……っ!?


両親以外の人から下の名前で呼ばれるのは、幼稚園以来でとてもびっくりした。