いつだってそこには君がいた。




「それでさ、四人で遊ぶ話はどうなってる?進展ある?」


「え、あー……」



目線を下にやりながら言葉を濁した。こめかみあたりを人差し指で掻く。
避けていた話題だっただけに、心臓が飛び跳ねた。



「なんか、ふたりとも忙しいみたいでまだそんな話できてなくて……」


「えー私めっちゃ楽しみにしてるんだけどぉー」


「ごめんね」


「まあ、忙しいならしょうがないよね」



唇を尖らせる雪菜ちゃんに苦笑いを浮かべる。


本当はふたりに遊びの提案すらしていないのだけど、どうにもこうにも私は気が進まないのだ。


結城くんが嫌がるのは目に見えているけれど、高橋くんは快く了承しそうで嫌だ。


やっぱり私は性格が悪いみたい。



「おはよう、日高さん」


「あ、おはよう田中くん」



教室に入って来た田中くんに挨拶を返す。
席に着く彼を尻目に、隣からひしひしと伝わってくる好奇な眼差し。


気乗りはしないのだけど、一応左横を見ると案の定、雪菜ちゃんがニヤニヤして私のことを見ていた。



「な、なに……」


「最近田中、優梨ちゃんによく話しかけてくるよね?」


「うん、それがどうしたの……?」



がくっと頭を落としてうな垂れる雪菜ちゃんが「鈍感?」と呆れ顔をこちらに向ける。


なにがどう鈍感なのかよくわからずにいると、本鈴が鳴り、席を立っていた人たちが一斉に着席した。


担任が入ってきてじょじょに静まりだす教室。
私は再び頬杖をついてどこに意識を向けるでもなく、ただ呆然としていた。