いつだってそこには君がいた。



ーーキーンコーンカーンコーン。


校舎内にチャイムが鳴り響き、昼休みが終了したことが知らされた。



「あっ、優梨ちゃん教室戻ろうか」


「う、うん……」


「じゃあね高橋くん、また」


「おう、またな!」



高橋くんが去って行く。会いたいと願って、ようやく一対一で話もできたというのに。


背中に目線をやって、俯く。そうして私も教室の方に行こうとすると「日高!」と呼ばれる。



「今度遊びに行こう。計画立てよ。連絡する!」



振り向くとキラキラといった擬音が似合う笑顔で高橋くんが片手をあげながら言った。精一杯頷くと、私も笑った。


高橋くんは天才だ。私を笑顔にさせる天才。


あんなに暗かった気持ちが高橋くんのたった一言で晴れ渡った。


高橋くんの笑顔をひとしきり見終えると、私は再び教室への道を進む。



「ねえ優梨ちゃん」


「ん?」



昼休みが終わって慌ただしく横を通り過ぎていく生徒たちもいるなかで、私たちはその足のスピードを早めない。


遅刻して先生に叱られるのは嫌だから急ぎたいのは山々なのだけど、隣で雪菜ちゃんが悠長に歩くのでそれに合わせている。


妖艶に微笑んだ雪菜ちゃんにたまった唾を飲み込んだ。



「高橋くんって、かっこいいよねぇ」


「う、うん……」


「今度さ、高橋くんと結城くんと私たち四人で遊ばない?ほら、さっきも高橋くん遊ぼうって言ってたじゃん」