いつだってそこには君がいた。




どうしようか悩んでいると、隣にいた結城くんが慣れていないであろうつくり笑い浮かべてそう言った。まるで完璧な王子様スマイル。


それに「そっか、わかった」と落ち込んだ様子を見せる雪菜ちゃん。


私が心配していると「じゃあ今度連れて行ってね」と笑ってくれた。
頷いて、ほっと胸を撫で下ろしてから、教室を出た。



「ありがとう、結城くん」


「別に」



ブレザーのジャケットについているポケットに手を入れて、なんでもないような顔をしている。



「でも松原って女」


「……?」


「要注意だな。こんな言い方よくないかもしれんが、ゆりりんとは釣り合わないと思う」



はっきりとした物言いに私はなにも返すことができない。だって、その通りだと自分でも思うから。


どうして雪菜ちゃんのような派手で綺麗な女の子が、普通な、というか地味な私なんかに声をかけてくれたのかわからない。


どうして私なんかと友だちになりたいと言ってくれたのか。


私は友だちができるか不安だったから嬉しかったし、昨日雪菜ちゃんが「友だちにならない?」って言ってくれたときのことを思い出すと胸が熱くなる。



「あー俺、ゆりりんのことマジで心配だわ」


「え?」


「なんか、過保護な父親になった気分」


「父親って……!同じ年なのに……!」



思わず口元を軽く握った手で隠し、肩を小刻みに震えさせて笑う。



「ゆりりんは守ってあげたくなるんだよ」


「それは私が幼いってこと?」


「そういうこと」


「ひどいな」



確かに周りのみんなと比べれば童顔なほうだと思う。背も低いし、大人しいからそう思われるのかもしれない。


私も大人っぽくなりたい。
お化粧を本格的に覚えたら、少しは大人の女性に近づけるのかな。