いつだってそこには君がいた。



「おはよう、優梨ちゃん」

「雪菜ちゃん、おはよう……!」



後ろから走ってやってきた彼女に背中を軽く叩かれて、驚きながら振り返る。
にこやかに笑って、今日も一段と可愛い。お化粧をしているのか、とても華があって魅力的だなと改めて関心する。



「結城くんも、おはよう」

「ああ、おはよう、ええっと……?」

「雪菜だよ、松原雪菜」

「ああそっか、松原ね、おっけい、覚えた」



気の抜けた顔で前を向きながら、彼女のこもを見もしないで言った結城くん。
これは友だちとしての意見なのだけど、彼女に興味を示してないのだと思う。


そういった態度を隠さないのは、結城くんらしい。誰に対しても優しい高橋くんとは対照的。



ふたりはいつも一緒にいるけど、よくよく考えれば正反対……?


天真爛漫で誰とでもすぐ仲良くなってしまうフレンドリーな高橋くんと、クールですこし意地悪で限られた人にだけ笑いかける結城くん。


でもだからこそ仲良しなのかもしれない。
正反対だからこそ、居心地がいいのかなってそう考えられなくもない。



「ゆりりん俺の顔になにかついてる?」


「えっ、ううんっ、別に!」



いけない。じいっと結城くんの顔を見つめてしまっていた。
咄嗟にうつむいて、そらした。



「結城くん優梨ちゃんのことゆりりんって呼んでるの?」


「あー、まあ……」


「すごーい、可愛いあだ名だねっ!」



私の右隣からお茶目に腰を曲げて結城くんに話しかける雪菜ちゃんに、私の左隣にいる結城くんは「ああ、そうだなー」と気の抜けた返事。


私は苦笑いするしかできない。