決まったことに文句をつけても、仕方のないことだろうが。
「つーかお前、首席合格とか聞いてねぇーんだけど、俺ら」
「あぁ、だって首席じゃねぇーし?」
「はあ?」
面倒臭さそうに首筋の裏に手を回す結城くんと、納得のいっていない様子の高橋くん。沙月ちゃんも興味津々で結城くんの言葉を待っている。
そんなみんなの会話を聞きながら私は笑っていた。
***
次の日、また四人で電車に乗って学校まで向かった。
そして階段を上り終えて、二手にわかれる。
廊下を、結城くんと並んで歩いた。
「ゆりりん髪の毛伸びたよなぁ」
「ん?そうかな?」
結城くんの指摘に毛先を指先で絡め取り、首をかしげる。
確かに鎖骨あたりまでの長さだった髪の毛も、胸もとあたりまで下がってきた。
お風呂のあとのドライヤーも大変になったし。
「可愛くなった、ほんと」
「そんなことないよっ、急になにっ」
「俺が、困るぐらい」
唐突すぎて、反応に困る。結城くんの横顔を見ていると、結城くんもこちらを見てばっちり目が合ってあからさまにそらす。
「ははは、照れてんの?」
「照れてません。怒ってます」
「はは、怒ってんだ?」
「結城くんがそうやってからかうから……」
かばんを握る手に力を込める。
隣で能天気に笑う結城くんに私は目を細めた。
困るのは、こっちの方だよ……。



