いつだってそこには君がいた。



一息ついて、教室を見渡す。
もうどこかグループが出来上がりつつある雰囲気が所々にあって、目をしばたかせる。



「日高、優梨ちゃん?」



左隣りから呼ばれた名前。
そちらを向くと、ひとりの女の子が私に向かって笑顔を見せていた。


胸もとまである茶色の髪の毛はすこしウェーブがかっていて、目はぱっちり二重で大きい。


色気があって、同じ年のはずなのにお姉さんのような雰囲気が初対面なのに伝わってくる。



「はい……?」


「私、となりの席の松原雪菜です。良かったら、友だちにならない?」


「えっ、も、もちろん……!」



目をこれでもかと開かせて、答えた。
雪菜ちゃんもにこやかに笑って「名前似てるね、私たち」と言ってくれた。



「ゆうりとゆきな……本当だね」


「ねっ」



共鳴するようにクスクス笑い合うと「雪菜、新しい友だちー?」とふたりの女の子が近寄ってくる。



「そうだよ、優梨ちゃんっていうの。あ、紹介するね、このふたりは私の中学からの友だちで、莉奈と舞だよ」


「よろしくね」


「よろしく、優梨ちゃん」



眼鏡をかけて長い髪の毛を両サイドで結んだ彼女が莉奈ちゃん、短髪で頬あたりにそばかすがすこし散らばっている女の子が舞ちゃんだと紹介された。


そうして四人でお話をしているとチャイムが鳴って、それぞれ自分の席に戻って行った。


静まる教室の中で、自分の心臓の音だけがはっきりと聴こえる。