いつだってそこには君がいた。



額にブルーのシートをくっつけた彼が頬を赤らめて、間抜けな顔をしてベッドの上に変な格好で横たわっていた。


壁に張り付いたように驚いて「な、な、なん……」と言葉じゃないことを言って口をパクパクさせている。


髪の毛はボサボサで、着ているのはスウェットだから、部屋着だろう。


目が合って、私も自分の顔の中心が熱くなっていくのがわかる。



「お見舞いに来てやったんだから喜べよ」



勉強机のくるくる回るイスに結城くんが腰掛けて、沙月ちゃんが部屋の中心に敷かれている紺色のラグの上にコートを脱ぎながら座った。


私と高橋くんだけが固まって身動きが取れない。



「ちょ、ふたりして停止しないで……!笑うわ……!」



沙月ちゃんがそう可笑しそうに笑って、私は恥ずかしさのあまり顔をうつむかせて沙月ちゃんの隣に正座をして腰を下ろした。


扉入って正面にベッド、その横に勉強机が置いてあり、入り口真横にタンスが置かれてあって、あまりジロジロ見られないけれど、整理整頓された部屋に清潔感を感じる。


高橋くんもベッドの上に正座して、グーにした両手を膝の上に乗せていた。



「あ、高橋くん……っ、これ……っ」



緊張して忘れかけていたけれど、近所のプリンが美味しくて有名なお菓子屋さんでその名物のプリンを購入したのだった。


高橋くんの大好物だと沙月ちゃんに聞いた。


差し出している手が震える。



「わ、まじ?これ俺大好きなんだよ、ありがとう。あ、ちょっち待ってて」



そう言って高橋くんが立ち上がろうとした瞬間、沙月ちゃんが「スプーンなら私たちが取ってくるから」と彼を制御した。