いつだってそこには君がいた。



そして結城くんに目線を移して最後に私を見た。



「あら、初めましての子ね?」


「あっ、はじめまして、日高優梨です。高橋くんのクラスメイトです」


「優梨ちゃんね、OK、はじめまして。ささ、中に入って」



高橋くんのお母さんに招いてもらうと沙月ちゃんと結城くんが手慣れたように「失礼しまーす」と堂々と足を踏み入れる。


私はふたりに続いて遠慮がちに「お邪魔します」と呟いてから高橋家に踏み込んだ。


中に入ってすぐ、右手にあった扉に手をかけた結城くんが「開けるぞー」と言ったものの、返事をもらう前にドアノブをひねった。



「うおわ!?なんだよ、お前ら!!」



高橋くんの驚いた声が廊下まで響いた。
結城くんが入り口付近に立っていて、中にいる彼が見えない。


だけど声はだいぶ元気そうだ。それだけで、なんだか安心した。



「ごめんね、私たちふたりだけじゃないの」



沙月ちゃんが結城くんの後ろから顔を出して中にいる高橋くんにそう言うと、私の手を強引に引っ張って、中に入れる。


バランスが取れないまま、部屋に踏み入ってしまった私は結城くんよりも前に出てしまって、慌てて身体の軸を安定させると目の前にいる彼と対峙する。