いつだってそこには君がいた。




かじかんだ手に息を吹きかけていると、おもむろに近づいて来た結城くんが「カイロいる?」と差し出してくれた。



「ありがとう。でも悪いよ」


「俺ふたつ持ってるから、使って」


「……じゃ、じゃあ、ありがとう」



うつむきながらカイロを受け取ると、寒さで痺れていた手を温めてくれる。
結城くんに優しくされると、なんか、ちょっと……素直に受け取れない自分がいる。


目の前に沙月ちゃんがいるからだとは思うし、沙月ちゃんの想い人だと知っているからだとなんとなくわかっている。


自意識過剰なわけじゃない、ただ、沙月ちゃんの心がモヤっとしないか、とても心配。


私は高橋くんが他の女の子と仲良くしているところを見てしまうと、モヤっとしてしまうから。


それが例え、沙月ちゃんであっても。


友達なのに、嫉妬してしまうの、なんでなんだろう。
妬きたくないのに、妬いてしまう。


その感情は隠しているけれど、時々心の狭い自分がイヤになる。
ふたりは幼なじみだから仲がいいのは当たり前なのに。


それに高橋くんは男女問わず、誰よりも友達が多いから。
そういうところを好きになったはずなのに、少し複雑な気分になるのすら、自分勝手な感情だなって思う。


恋愛って、とても自分勝手だ。