いつだってそこには君がいた。



高橋くんといるこの瞬間、一秒一秒に積み重なっていく、「好き」という気持ち。
お祭りで賑わうこの夏の夜の雰囲気もあいまって、上昇傾向にある。


終わらないでほしいな、花火。
ずっとずっと夜空に咲き続けてほしい。
だって、そうしていたら、高橋くんとらこうして肩を並べて一緒にいられるもの。


だけど、時間にはどうやっても抗えない。やがて花火が打ち上がる音が止み、人々が余韻に浸りながら帰り路につく。


私たち4人も同じように来た道を戻っていた。



「あー花火綺麗だったねぇ」



うっとりしたような沙月ちゃんの声と表情。電車に揺られながら同意するように頷いた。



「明日からまた受験生だな、俺たち」



結城くんの言葉にも、首を縦に動かした。
そうだ、浮かれている気分を受験生モードに戻さなくちゃいけない。
絶対にみんなで合格したいから、妥協なんてしていられない。
わき目も振らずに一心不乱に、きっと、もうそういう時期に来ている。


そういった努力をし続けられる人だけが、来年の春に笑っていられるんだろう。



「海も行きたいし、バーベキューもしたいのに」


「それは来年しよーよ。ね、優梨ちゃん」


「うん!」



来年……うん、きっとそうしよう。
受験もそうだけど、約束があるから私は頑張れる、チカラが湧いてくる。
そういう気持ちをくれる大好きなみんなと、いつまでも一緒にいたいっていう確かな想い。



「来年もまた来ような」



高橋くんがそう言って笑うから、私もつられるように笑って頷いた。


きっと、来年も、あの花火を見よう。

4人で。



***