いつだってそこには君がいた。




そんな冗談を言うなんて、やっぱり結城くんは意地悪だ。
沙月ちゃんは結城くんのことが好きだと言うのに、本気じゃないことはわかっているけれど、本当に心臓に悪い。


結城くんは洞察力がすごいから、沙月ちゃんが誰を想っているのか、気づいてたりしないのかな?


それともやっぱり、自分に向けられている好意は気づきにくいのだろうか。



「遅いよ〜、優梨ちゃん」

「ごめんね」



すこし行ったところにいた沙月ちゃんと高橋くんに合流。


沙月ちゃんが購入していたじゃがバターを、あーんして一口もらった。
ほくほくで、バターとマヨネーズの塩味がきいていて、すごく美味しい。


そしてそれを味わっている間に高橋くんが近くの金魚すくいのお店に行って「おっちゃん一回やらせて」とお金を払っていた。


結城くんはその隣の射的に夢中。ふたりとも自由だな。

沙月ちゃんは結城くんのところへ、私は高橋くんのところに向かった。



「金魚すくい得意なの?」



隣にしゃがみこんでそう声をかけた瞬間、高橋くんの持つ網の白い部分が破れた。
捕らえかけていた金魚が勢いよく水の中を泳いで駆け巡り、他の仲間たちを騒然とさせているよう。
彼が手に持つそれをかかげ、頬を膨らませて穴から私を見る。


……得意では、なさそうだね?



「ふふふ、私もやろうかな」


「俺が先にとってやるし」


「じゃあ勝負だね」


「のぞむところ〜!」