「とにかく、

写真を使った何か、印象に残るような発表……」


本題に戻すとやっぱり誰も咄嗟には

案はでないみたいで、

それは私も同様に、

みんなで黙ってしまう。


「えっと、去年しか知らないので

よくわからないんですけど、

発表っていうのはああいう大きな作品を

模擬店とかが並ぶ中庭にオブジェのように飾るってことですか?」


今まではどんな発表をしてたのか

気になって聞くと、

美涼先輩が思いついたように

「そうだ!」

といって、室内に沢山並ぶ棚のひとつの扉を開けた。


「今までの内容は

全部写真部らしく全部アルバムにまとめてるはずよ」


そういって、少しほこりっぽいアルバムを

ひとつ抜き出した。


『写真部―文化祭アルバム』

そう書かれた表紙をめくると、

1番目の写真の日付は、今から16年も前。


「私の生まれた年だ……」

ぼそっとつぶやいたのを

門脇先輩はひろってくれる。


「本当だ、俺の生まれた2年後だ」


そういっていつもふわふわと嬉しそうな

笑顔を向けられると胸が締め付けられる。