【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。






私はあの子には敵わないや……。
見た目は地味だし、中身も消極的で臆病だし、勉強も運動もそんなに出来ないし、あんなに女の子らしくないし。



「はぁ……」



思わずため息がこぼれた。



「どうした?東本」



その声に私は驚いて勢いよく振り返った。



「かっ、梶原くん……」



「あはは、そんな驚かなくても」



「い、いや……あはは……」



ため息の原因の本人にまさか「どうした?」って心配されるなんて予想外だった。



「なにか悩んでることあるなら、俺でよければ話くらい聞くよ?」



「っあ、ありがとう!でも大丈夫!」



大丈夫じゃないけど、本人に言えるはずがない。



「ほんとに?抱え込むのはよくないぞー」



そう言って、梶原くんは私の両頬を軽くつまんだ。



「い、いたいれす……」



「あはは、面白れぇ顔~」



梶原くんは楽しそうに笑った。