《追記.露出の多い服は着てくんなよ》



俺は陽莉にそう送信すると、ケータイを自分の部屋の机の上に置いた。



陽莉のことだから露出の多い服なんて着たら、他の男がジロジロ見るに決まってる。
アイツ、無自覚だから気を付けてもらわねぇと。



「玲、日曜日、俺出かけるから」



俺の部屋でゲームをしていた玲に言う。



「……そっか。誰と?陽莉さん?」



「あぁ。そういうことだから母さんと出かけてきたら?」



「うーん、そうだね!そうしようかな?」



日曜日は母さんがパート休みだから助かった。



陽莉をそろそろデートに誘いたいな、って思ってたら陽莉に誘われるからビックリしたし。
つーか俺、カッコ悪。
彼女から誘わせるなんて。



はぁ、今度デート誘うときは絶対俺から誘おう。



「ね、朔空。私、バニラアイス食べたくなってきたー!」



甘え口調で玲がそんなことを言った。



「はぁ?自分で買いにいけよ」



「えー今めちゃくちゃいいところだからさ!ね?お願い!」



足をバタバタさせて首を傾げる玲に、俺は「しょうがねぇな」と立ち上がった。