そして耳元で、好きだよ、と囁くと、静かに唇を重ねた。
「……っ!」
その瞬間、私の体は固まってしまって動けなくなった。
私……今、朔空くんにキスされてる……?
朔空くんはゆっくり唇を離すと、私の目を見てフッと笑った。
「信じた?」
「あ、ぅ……ご、ごめんなさい!!!」
私は朔空くんから目を逸らして、その場から逃げ出した。
「はぁ……っはぁ……っ」
ひと気の少ない特棟の階段を駆け上がる。
まさか朔空くんが私のことを好きだったなんて、思ってもいなかった。
だってそんな素振り、見せてなかったじゃん!?
って、私が鈍感だっただけなのかもしれないけど……。
疲れて走るのをやめて立ち止まると、階段に腰をおろした。
そして、ゆっくり自分の唇に触れる。
「キス……されちゃった」
ファーストキス、だった。
ファーストキスは好きな人としたい、なんて密かに思ってた。



