お風呂から上がると、蒼兄のお部屋にお邪魔した。
「どうした?」
「……試験が終わったらツカサと会うことがなくて……」
「連絡は?」
 私は左右に首を振る。
「二年と三年じゃ校舎が違うから約束でもしない限りはなかなか会えないよ?」
「今、それをひしひしと実感中……」
「連絡してみればいいのに」
「なんて……?」
「え?」
「なんてメールしたらいいの? 電話かけてなんて言ったらいいの?」
「……会いたいってそのまま言えばいいんじゃない? そんな難しいことじゃないだろ?」
「……すごく難しい。会いたいって言葉はなかなか言えないよ」
 蒼兄は驚いた顔というか、珍しいものでも見るような目で私を見ていた。