「じゃ、決まり。あとのふたつはどうかな?」
「音楽とカメラ……?」
 カメラは久先輩の都合がいいときにお話を聞けたらいいな……。音楽は――。
「音大を目指すなら、ピアノのレッスンやハープのレッスンが必要になるんじゃない?」
 今まで形にすらならなかった未来のビジョンが、おぼろげではあるものの、輪郭が見え始めた。
「高崎さん、ありがとうございます。今やらなくちゃいけないことや、今できることが少しだけ見えた気がします」
「それは良かった。大した話はしてあげられないけど、相談ならいつでも乗るよ」
「ありがとうございます。本当にありがとうございました」
 私は深くお辞儀をしてカフェラウンジをあとにした。