……どうしよう。とっても答えたくない。
「……あのさ、欲しいものを尋ねただけでなんでむくれるわけ?」
「だって……私も同じことを訊いたけど、ツカサは教えてくれなかったもの」
「あぁ、そういうこと……。別に答えたくないなら答えたくないでかまわないけど」
 仕返しじみたことを口にしたけれど、今欲しいもの、と訊かれても思い浮かぶものがないのだ。……でも、してほしいこと、したいことならある。
「ツカサ、ものじゃなくてもいい?」
「ものじゃなければ何?」
 ツカサは心底不思議そうな顔をしていた。
「あのね、プレゼントはいらないから、その代わりにデートして?」
 思い切って口にしたのに、ツカサは眉間にしわを寄せた。
「なんでプレゼントとデートが引き換えになっているのか知りたいんだけど」
「え……? だって、どっちもは欲張りすぎでしょう?」
「……誕生日くらい欲張っても罰は当たらないと思う」
「……そうかな?」
 私が考え込む前に、ツカサは話題を先につなげた。