林檎の甘い恋模様

昨日は、あれから話す事も出来なくて。


もう、今日は卒業式。


今、壇上では、りく君が卒業証書を受け取っている。


しっかり目に焼きつけたいのに、もう涙がポロポロ零れてしまって、ちゃんと見られない…。


「姫川 林檎」
名前を呼ばれる。


「…はい…」
涙声で返事をする。


壇上に上がっても、涙はとまらなくて。


証書を受け取って階段を降りる時も、前を見れずに俯いていたら。


ザワザワ…。
周りが騒がしくなる。


いけない、式を遅らせちゃうかも…。


私が慌てて、階段を降りようとすると。