そんな時に、またとないチャンス。


C組と合同で体育をやると……。


林檎を見れる……。


うるさい女共の声にイライラしながらコートに立った俺が目にしたのは、真っ青になって倒れ込んだ林檎だった……。


俺は授業を抜け出し、保健室へと走った。


そして……。
相原に叩かれた。


後に残ったのは、俺と林檎を運んでくれたヤツ……。


「C組の青山です。沙織さんが、大神君が林檎ちゃんのトラウマだと言ってました。きっと大神君も、林檎ちゃんの事が好きなんだろうけど、僕も林檎ちゃんの事好きだから。絶対に譲りません。」


俺の目をまっすぐに見て、そう言った青山に。


「どこまで聞いたかしらないけど、俺もずっと林檎が好きだ。絶対に譲らねぇ。」


バチバチと音がするんじゃないかと思うほど、2人で睨み合っていた……。


(陸斗side 終)