それから私は、りくくんが大好きだった。


幼稚園を卒園して、小学校に入学しても。


小学校に入ったら、カッコよくて優しいりく君は、モテモテだった。


かなりの頻度で、告白されてるみたいだった。


バレンタインとかは、毎年いっぱいチョコをもらっていた。


私も、そのうちの1人だった。


恥ずかしいから、みんなと一緒にまぎれてチョコを渡していた。


私は近くで見ていられたらイイ…。
そう思っていたのに。


卒業式の前の日に、先生が言ったんだ。


「みんな明日で卒業だな。このクラスは、男女共に仲が良くて、みんな同じ中学校に行けると良かったんだが、大神が親御さんの仕事の都合で、小学校卒業とともに、県外に引っ越す事になった。」


えっ…。


私はショックで、呆然としてしまった。


「明日はバタバタするだろうから、みんな、しっかり別れの挨拶しておくんだぞ。」


そう言って先生が教室を出ていくと、とたんにみんながりく君の周りにむらがった。


「おい、マジなのか陸斗‼」
「やだ~陸斗くん、行かないでぇ~」


「寂しいけど…、俺だけ残るの無理だしさ…。」


みんながワァワァ言ってる中に、入っていけないほどショックだった。