りく君が引越してしまってから、もう3年たった。


1ヶ月に1回のペースでやり取りしていた手紙も、2年生になったら、プツン…と途切れてしまった。


学校、忙しいのかな?
いや、好きな子が出来たのかも…。


そう思うと、手紙を書く事が出来なくなってしまった。


昔みたいに、名前でからかわれる事は少なくなったけど、やはり男の子と話すと赤くなってしまう私は、
「林檎みたいだな‼」
と、からかわれたり…。


でも、助けてくれる『りく君』は、もういないわけで…。


泣くのを必死で我慢したり、親友の沙織ちゃんが助けてくれたり…。


いい加減、私も強くならなきゃいけないのに…。


私は、いろいろ吹っ切って頑張ろうと思い、隣町にある県立K高校を受ける事に決めた。


おバカな私には、かなり大変だけど、いっぱい勉強した。
沙織ちゃんにも教えてもらった。


「林檎ちゃん、どこ受けるの?」
同じクラスで陸くんと仲の良かった木下君に何故か聞かれたけど。


「K高校だよ。」
と教えたらビックリしてた。
「なんでソコなの?」
と聞かれて。
「うん…。いつまでも、思い出にすがっていてばかりじゃダメかなって。新しい所で、気持ちも新たに頑張ってみたくて。時間はかかるだろうけど…気持ちに整理をつける意味でもね…」