幼稚園、みんなでお庭で遊んでいる時に。


「や~い、や~い、リンゴは真っ赤だ、食べちゃうぞ~」
男の子たちが私を囲んで、ゲラゲラ笑っている。


「ふ…ふぇっ…。」
怖くてボロボロ泣いていると。


「お前ら、リンゴをいじめるな‼」
私の前に立って、男の子たちをにらんでいる男の子は。


「りく…くん…」
私の大好きな、りくくんだった。


「うるせぇな、りくは‼オレたちは、リンゴと遊んでやってんだよ‼」
「いっつもお前ばっかり遊んで、オレだってリンゴと遊びたいんだからな‼」


男の子たちがワーワー言っている。


「お前たちがやってるのは、リンゴを泣かせてるだけじゃんか‼リンゴ、行こう。」


りくくんが、泣いてる私の手をつかんで、歩き出した。


「りく…くん、あり…がとう…。」
歩きながら言うと、
「俺がいつでも、リンゴを守ってあげるからな‼」
ギュッと手をつなぐから、私も、
「うん‼」
ニコッと笑って、手をギュッとした。