やさしい手のひら・後編

長いバージンロードをお父さんと腕を組んで歩く

こんな風に腕を組んで歩くなんて今までなかった

小さい頃、歩く時はいつも私と手を繋いでいたから・・・

ドレスのトレーンの引きずる音が微かに響き渡る

祭壇の前では新くんが私を待っていた

こっちを黙って見つめ私が来るのを待っている

今、どんな気持ちなのかな?

新くんも緊張してるのかな?

新くんの前に着き、お父さんは私の手を新くんに渡し、新くんは私の手を受け取った

ベールの中から新くんの顔を覗くと愛しそうに私を見て微笑んだ

「きれいだな」

そんな言葉に恥かしくて照れ笑いをしてしまう

二人で祭壇の前に立ち、神父さんの方に体を向けた

練習の通りやれば大丈夫

隣には新くんがいてくれる

そう思っているのに教会にいるだけで、健太と一緒に過ごしたあの日を思い出しそうで私は目を瞑る

違う教会にいるのに目の前にあるマリア像が私を睨んでいるようで・・・それがとても怖かった

これが罪悪感というものだろうか

神父さんが誓いの言葉を言い始めた

「新郎、三浦新、あなたは病める時も、健やかな時も、生涯支えあう事を誓いますか」

「はい、誓います」

新くんは力強くはっきりと誓います、と言ってくれた

次は私

私は神父さんが問い掛けてくるのを待っていた