答えは、それから程なくして知る事となった。


ある日はいつもより早く帰って来た。


父は妙に明るい。


あんなに落ち込んでいたのがウソの様に。


自棄に晴れやかで、すっきりした顔をしている。


話がある…


父はそう言うと皆を集めた。


自立している弟さえも集められた。


すまないなぁ…

急に呼び出して…


真剣な顔で父は話始めた。



今日、会社を辞めてきた…

退職金も貰ったんだ…

皆唖然として、声が出ない。


退職間近で父は何を考えてるのか…?


私は心配で堪らなかった。


更に父は私達を驚かせた。


ソープを作ろうと思ってる…


初めは、父が何を言っているのか理解出来なかった。


いい物件も見つけたんだ…


従業員も募集してある…


…で、……なんだ…


……だから、……


父の話は流れる様に、皆の耳を通り抜けて行った。


弟が父の言葉を遮り、口を開いた。



何を考えてんだよっ!
解って話てんのか…


父は至って真剣な顔で答えた。


真面目も真面目、大真面目だ。