満天の星空に、サソリの姿をすぐ見つけ出すことができた。 一番明るいアンタレスという星がサソリの心臓を表しているらしい。 でもわたしたちの町では、きっとそれは目玉としてみんな認識しているはずだ。 花火の煙が漂っているし、肉眼ではあまり見えないけど、きっとそれはごうごうと赤く燃えている。 再び星たちの間に、色とりどりの大輪の花が咲いていく。 そんな夜空をわたしは夢中で眺めていた。 右手に優しく絡まる手の温もりを感じながら。