その先の言葉をわたしは待っていたけど、 突然、ガラリと勢いよく扉が開く音がして、 「トシミー! 大丈夫かぁ!?」 「トシミ……っておめー声でけーよ! ここ保健室だべや!」 「ユカチンこそやかまし……いってぇ! 痛いお~」 「はいはい、中入りますよ~」 とクニオとユカチンらしき2人分の大声(+ユカチンキックの音)が、ついたての奥から聞こえてきた。 わたしと阿部くんはびっくりして、ぱっと手を離した。 そして、クニオとユカチンのやり取りが面白くて、2人でふふふ、と目を合わせて笑った。