「トシミ……」
スマホの明かりをつけると、朝5時をさしていた。
いつの間にか眠っていたようだ。
ぐるぐると巻かれた布団の中に自分がいた。
わ、やってしまった。
隣にトシミちゃんがいるにも関わらず、いつものくせで布団を巻き取りながら眠ってしまったようだ。
彼女は寒くなかっただろうか、と心配になり、
寝返りを打ち、逆側を向いた。
「……っ!?」
その姿はもう無かった。
温もりだけが、微かに残っていただけだった。
僕は鉄砲玉のような勢いで、がばっと体を起こした。
――追いかけなきゃ!
まだロード中の脳みそをよそに、僕は本能のままそう思った。
『ねえ、答えてよ!』
3年前くらいに、彼女に問い詰められたことを思い出した。
先生とトシミが溺れていたら僕はどっちを助けるのかと。
僕は答えることができなかった。
すると、彼女は泣きそうな顔を見せた後、僕の前から去ってしまった。
しばらくその場に立ち尽くしてしまった僕は本当にばかだ。
もう少し早く走り出していれば……。
あの時、実は、はっと我にかえった後、
僕は彼女を追いかけようとした。
しかし、彼女の走るスピードは思う以上に速く、既にその姿はどこにも無かったのだ。

