僕の幸せは、星をめぐるように。



☆ ★ ☆


夢なのか、昔のことを思い出しただけなのか、分からなかった。


『ずうっと一緒にいようねえ』


ごうごうと窓の外の景色が流れる中、隣に座っている彼女がそう言った。


『もちろんだよ』


と僕は答えた。


あの時は、本気でそう思っていたから。


彼女はジョバンニで、僕がカムパネルラ。


中学時代のある出来事が原因で、時々悲しい顔を見せる彼女を

僕はほっとけなかった。


一緒に日々を過ごしていくうちに、

幸せそうな顔で笑ってくれる瞬間が増えて、嬉しかった。


彼女が本当の幸せを見つけられるよう、僕はどこまでも一緒に行きたいと思っていた。


だけど実際は逆だった。


彼女からたくさんの幸せを与えてもらったのは僕。


彼女と一緒にいることで、普通に楽しいとか、嬉しいとか、悲しいとか、好きとか、

自分の思いに素直に従っていいんだ、と思うことができた。



彼女もまた、大好きだった陸上に復帰できて、クラスメイトにも言いたいことをちゃんと言えるようになって。


初めて会ったときよりも、彼女は、本当の自分自身を取り戻せたのだと思う。


僕なんかが彼女のそばにいなくても、彼女は1人で幸せに生きていけると心のどこかで思ってしまうほどに。


そして、彼女は僕のそばからいなくなってしまった。

僕と先生の幸せを願って。