僕の幸せは、星をめぐるように。



☆ ★ ☆


しばらく阿部くんと会えない日が続いた。


阿部くんは編入試験や準備のため、1週間ほど地元に帰っていた。

わたしも部活が忙しくなり、その間、連絡をほとんど取らなかった。


というよりも、この前のことが気がかりで、

電話もあまり出る気になれず、メッセージも放置してしまっていた。


そのまま春休みが始まる。


今日はクラス離散会+阿部くんのお別れ会。

国道沿いのカラオケ屋さんに、3分の2以上のクラスメイトが集まった。


テンションが高いクラスメイトたちの前で、阿部くんはぼそりぼそりとお礼とお別れの挨拶をしている。


騒がしい中、あまり通らない彼の声は聞こえづらく、

「トシミちゃんとはどーなるの?」

「遠恋になんだべ?」

などという、まわりからの声の方が大部屋の中に響いていた。


チュー! チュー! というコールも始まったことや、

クラス内歌がへたな王座決定戦でトップになれそうなわたしは、ドリンク片手に部屋から逃げ出した。


何だかんだ言って、みんないい人でいいクラスだったけど、こういうノリはやっぱり苦手だ。


この大部屋の他にも2部屋借りているため、歌う部屋とだべる部屋に自然と分かれる。


わたしはだべり部屋の方で、ユカチンやナナミちゃんなど仲の良い女子たちと話していた。