僕の幸せは、星をめぐるように。



☆ ★ ☆


寒さに震えながら目が覚める。

障子の奥には青白い光。


スマホを見ると朝6時半だった。


『あけましておめでとうございやーす』とユカチンからラインが来ていたため、

朝早くから嫌がらせのごとくハートのスタンプ連発で返しておいた。


時間的にもう一眠りできそうだな。


はだけた浴衣をごそごそと直す。


ちなみに阿部くんが布団を巻き取りながらくるまっているため、

わたしには体半分しかかかっていなかった。


「えいっ」


寒いのでちょっと分けてもらおうと、布団をひっぱると、

「んー」と唸りながら、阿部くんも一緒にわたしの方へ転がってきた。


可愛い寝顔を見せて、わたしに腕を回しながら、引き続き眠っている。

その様子が可愛らしくて、こっそりちゅっとしてから、再び私は眠りについた。


しかし、眠っているうちに、次はわたしが布団を巻き取ってしまっていたらしい。


阿部くんの方からくしゃみが聞こえ、うっすらと目が覚めた。


それから布団が彼の方へ引っ張られた。

寝起きのあいまいな記憶の中、わたしは布団と一緒に彼のもとへ転がった。


「ごめんね、起こしちゃった?」

「んー」


寝顔見られるの恥ずかしいとおぼろげに思いながらも、

そのまま気持ちよく浅い眠りにつこうとした。


その時、唇に温かい感触がした。


すごく安心して、わたしはその温かい体に抱きつこうとしたけど、


「あ、やばい。トシミ、朝ご飯そろそろだよ」


と、彼の慌てた声が上から聞こえたため、がばっと勢いよく起きた。


「おはよう」


「うん。おはよ」


将来2人で暮らすことができたら、きっとこういう毎日を送れるのだろう。


早く、もっと、大人になりたい。