「へーこういうことすんだねー。覚えとく。じゃ、おれの2位はトシミの押しつけチューかな」
彼はわたしの枕をぽーんと片手で上に飛ばしながら、半目でいたずらそうに笑った。
「なにそれ?」
「トシミの部屋でだっけ? 一緒に宿題やってた時に、チューして欲しいって言ったら、ぶっちゅーって感じで唇押しつけてきたやつ」
「ちょ、それ結構最近じゃん」
「だってあれ、すんごい可愛かったんだもん。ばっちり目つぶったまま突進してきた感じ?」
「うう。それ、本当やだ! 恥ずかしい!」
「またあれくらいのして欲しいなー」
首をかしげながら、目を細めておねだりをする阿部くん。
「無理、無理! そんな可愛くねだられてもダメなもんはダメ!」
と言いながらも、わたしは恥ずかしさとときめきで胸がはちきれそうになってきた。
すると、キラリと目を光らせ、彼はこう言った。
「してくれないなら、今からこの枕、超全力でトシミの顔面に投げるよ」
「え……?」
……さっきの借りを逆手に取りやがった、こいつ。

