僕の幸せは、星をめぐるように。



☆ ★ ☆


「うわー美味しいです! ありがとうございます!」


阿部くんファミリーに囲まれたわたしは、

母が作るものよりも肉の量が多いすき焼きをご馳走になっていた。


「この前、大雪のニュースあったけど大丈夫?」と阿部くん母に聞かれる。


「はい、日本海側に比べたらそんな降らないので。あ、でも1mくらいは積もりました」

とわたしが答えると、

「じぇじぇじぇ! すげー、それスノボで登校できるじゃん」

とカヨコさんが驚いていた。


確かに、小学校の頃は、体育の時間に校庭でスキーしていたな~。

なんてことを思い出していると。


少し酔っ払い気味の阿部くん父が、

「こんなに良い子つかまえて、お前どんな手使ったんだよー」と嬉しそうに言ったため、

「ちょ、やめてよ。恥ずかしいじゃん」と阿部くんが制していた。


「地震の時は大丈夫だった?」


「はい、かなり揺れましたが、うちは内陸側なので電気がしばらく止まったくらいで……。あ、ちょっとお手洗い借りていいですか?」


あの大きな地震については、

沿岸に住んでいる親戚の家や職場がボロボロになってしまったり、

友達の友達が亡くなってしまったりと、悲しいことがたくさんあった。


それまでも何度も地震は経験していたけど、あんなに強い揺れは初めてで本当に怖かった。


でも、みんなで助け合って、励まし合って、たくさんのことを考えた。

募金活動をしたり、小さくなった服を送ったり、自分たちにできることを実行した。


あれから数年経ったけど、今もなお避難生活を送っている人はたくさんいる。