僕の幸せは、星をめぐるように。



除雪車が通り、かつ車も数台通ったようで、

白い轍の上は、つるつると滑りやすそうになっていた。


足跡でまばらに雪が固められた道路のはじっこを2人で歩いた。


「わたし、そのうち阿部くんのこと好きな女子にいじめられたりして」


「あはは、そんなん無いっしょ」


「でも、阿部くんと付き合ってるの? って2年か3年の女子に詰められたことあるよ。しかもさっきのとは違う人」


「え、まじ?」


「付き合ってますって言っておいた」


そう言った瞬間、一台の車が、わたしたちのすぐ横をゆっくりと通り過ぎた。


「…………」


静かに唸るエンジン音と、めりめりめりとタイヤが雪を潰す音が耳に入る。


「うそー。いろいろ面倒だしそう言っとけってユカチンに言われたけど、無理だった~」


そう言って、わたしは笑顔を作り、阿部くんを見た。


彼はわたしの3歩ほど後ろで立ち止まっていた。


ポケットに手を入れたまま、目線を左に寄せた後、右に移している。



――そういえば、わたしたちは今、どんな関係なんだろう。