「うおっ、意外と綺麗じゃん」
「おじゃましまーす。はいお土産ー」
ちょっと遅刻の時間で、クニオと阿部くんがやってきた。
2人ともところどころ雪で濡れた跡がある。
お土産にチョコパイを買ってきてくれた。
そして、結局――。
「うぅわ、クニオ強すぎじゃん?」
「んだべ? おりゃー」
クニオと阿部くんはスマブラ対戦中。
わたしとユカチンは机に問題集を広げるところまではできたけど、
よく考えたらまだ冬休み始まったばっかだしね~、と2人でダラダラとお菓子を食べてだべっていた。
今日のユカチンは厚手のシャツワンピにレギンス。
スカート姿は珍しい。
今は足にモコモコソックスを履いてるけど、
掃除の時に靴下暑い~って言って裸足になった時、薄いピンク色のペディキュアが塗られていたのが見えた。
机に頬杖をついて、ユカチンをじーっと見つめると、
「え? 何?」と怪しまれたため、
「いや、ユカチン、めんこいな~って思って」と伝えた。
すると、お菓子がのどに詰まったのか、彼女はゲホゲホと顔を赤くしながら咳き込んだ。
その時、ラグの上に置いていたスマホが振動していることに気がついた。
『そろそろ退散しましょうか』
阿部くんからのラインだった。
ちらりと後ろを見ると、クニオがキャラを選択している間に片手でスマホをいじっている。なんて器用な!
『もちろーん』
ユカチンにばれないようにわたしも一言で返しておいた。
窓の外では、積もった白に次々と新たな雪の粒が降りそそいでいた。

