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「これは~、いらない!」
「待って! それ小学のときのプリントだべ? もしかしているかも!」
「はーい、ぼっしゅーと!」
そう言って、わたしはその紙の束をゴミ袋に投げた。
同時に「あいたー!」というユカチンの叫び声とともに、山積みにした少年漫画誌がドサドサと雪崩を起こした。
「ばかー! せっかくひとまとめにしといたのに~」
「いててて。こうなるから漫画は重ねるの嫌なんだって~」
だから全部床に散らばっていたのね。ふぅ。
わたしは突っ込む気すら起きず、ひたすらゴミ袋とダンボールに物を詰め込んでいった。
「トシミ~休憩すっぺ。この前おとーさんが小岩井の飲むヨーグルトのいいやつ買ってきてさ~。飲まね?」
「はーい、終わったらいただきますね~」
ユカチンの家は温泉街の近くにある。
わたしとクニオが住んでいるエリアからはバスで20分くらい。
普段なら自転車でびゅーんと行けるけど。
結露している窓から見える色は、ほぼ真っ白。
外には雪がこんもりと積もっている。
残念ながら12月26日から雪が降り始めたため、ホワイトクリスマスは逃したが、ホワイト正月にはなりそうだ。
冬休みに入り、いつもの4人で宿題をやろうとラインでメッセージのやり取りをしていた。
すると、突如ユカチンから『あたしの家でやんない? 28日までは親仕事で昼間いないし』とメッセージが来た。
「突然どしたの?」と聞いてみると、
「ほら、あたしってやればできる子だけどやらない時はやらないべ? だから無理やり機会作ってみた。これ以上クニオくんにいろいろ我慢させるのも悪いし」
とのこと。
ほう、ユカチンもとうとう女子力アップか!?
と思ったが。
今日の集合時間は表向き13時。
なぜか、わたしだけは朝9時からここに来て、ユカチンの部屋片付けを手伝うはめになり、
今に至る。

